温胆湯の効能効果とは?
温胆湯の効能効果は”胃腸衰弱者の不眠・神経症”です。
実は温胆湯にはいくつか種類があります。
コタロー温胆湯、イスクラ温胆湯、竹茹温胆湯、加味温胆湯の4種類です。
それぞれについて説明します。
コタロー温胆湯は半夏・竹茹・枳実・陳皮・甘草・茯苓から構成され、痰湿をとる代表方剤です。
半夏・陳皮の化痰薬にとって痰の滞りを解き、竹茹も清熱滌痰・開鬱し、詰まっている痰を洗い流します。
枳実は破気薬であり、三焦の相火を下に降ろし、気を降ろします。
茯苓にて余分な水飲を利水します。
こちらの温胆湯は温胆湯エキス細粒G「コタロー」として“胃腸衰弱者の不眠・神経症”の方に販売されています。
温胆湯にはこれをベースにした様々は派生処方があります。
温胆湯は痰湿をとる基本処方です。『中医臨床のための方剤学』では、派生で黄連温胆湯、竹茹温胆湯、十味温胆湯の記載があり、ページが少し飛び滌痰湯も温胆湯の考えが応用されています。
温胆湯の違いは?
同じ温胆湯でもコタロー温胆湯とイスクラ温胆湯は内容が少し異なります。
イスクラ温胆湯は『備急千金要方』の温胆湯がつかわれています。
イスクラ温胆湯=コタロー温胆湯+黄連・酸棗仁
イスクラ温胆湯
イスクラの温胆湯は温胆湯+黄連・酸棗仁の構成になっています。
黄連が入ることで心熱を冷ます作用が強く、イライラの症状に対応しています。
酸棗仁は不眠で使われる酸棗仁湯の主薬であるように、肝血を養い、不眠につかわれます。
こちらの方がイライラ・不眠の症状が強いときには適しています。
温胆湯の派生処方は?
竹茹温胆湯
温胆湯に、気を補う人参、邪を追い出す柴胡などが加わることで、カゼが長引き、熱が引かないとき、痰、不眠があるときにつかうことができます。
加味温胆湯
加味温胆湯はコタロー温胆湯に遠志・玄参・人参・地黄・酸棗仁が加わったものです。
加味温胆湯=温胆湯+遠志・玄参・人参・地黄・酸棗仁
人参が加わることで、胃腸が弱い方に使いやすくなっています。
玄参・地黄にて涼血し、虚から熱感がある方にも使えます。
遠志・酸棗仁は安神に働くことで、気持ちを落ち着け、不安感が強かったり、不眠が強かったりするときにも加味温胆湯は応用できます。