唾(つば)、よだれが多い
唾(つば)、涎(よだれ)が口のなかで多く湧いてくる症状です。身体でほかに調子が悪いところがあまりないのに、つば、よだれが多いという症状について漢方的に考えます。顔面神経麻痺で唾液の分泌が異常になっているなどの疾患がある場合は今回は除いています。
漢方において、唾(つば)と涎(よだれ)は分けられています。粘性があるものが唾(つば)、サラッとしているものが涎(よだれ)です。口になかで液体が次々に湧いてくる場合、サラツとしていれば涎(よだれ)と捉えられます。
・涎(ぜん)は脾液である
・唾は腎液
サラッとした涎(涎)に異常があれば脾に関連があり、粘性のある唾液であれば腎に関連があると考えられます。口から唾液が分泌されず、口が乾き、目も乾く症状の疾患の1つにシェーングレン症候群があります。唾液は腎に関連し、目を潤す涙は肝に関連しているため、口渇、目の乾燥という症状のシェーングレン症候群は肝腎陰虚と捉えることもできます。
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脾虚寒
口の中で唾液が湧いてくるの原因の1つは脾が冷えているからです。涎(よだれ)は脾液であり、脾がきちんと機能していなければ、唾液を口のなかに収納することができなくなり、たくさん湧いているように感じます。脾胃の冷えによって、唾液が多くなるだけでなく、お腹の冷え、手足の冷え、下痢などの症状もあるときは人参湯にてお腹を温めるとともに気を補います。