↓症状を選ぶとあなたにあった漢方薬をおすすめします。
- Q1
- どっちの症状?
日本では慢性頭痛に悩んでいる方が4,000万人も存在しているとされ、片頭痛で悩んでいる方が約840万人いると推定されています。定期的に病院に受診しているのは2.7%と少なく、多くは市販の薬で対応していると考えられます。
ここでは命の危険のある頭痛は除き、片頭痛や緊張型頭痛について考えたいと思います。
目次
- 片頭痛,頭痛,生理前の頭痛,吐き気,手足の冷えには?
- 雨や低気圧による頭痛には?
- 頭が張るような頭痛,高血圧,肩こりには?
- めまい,立ちくらみも伴う頭痛には?
- 慢性的で刺すような頭痛,生理不順,イライラには?
薬物乱用性頭痛って?
最近では市販でもロキソニンが手に入るようにもなり、薬物乱用性の頭痛に注意が必要です。
薬物乱用性頭痛というのは、頭痛のために鎮痛薬を頻用してしまうことで、かえって頭痛の症状が悪化している状況のことです。
頭痛があるから痛み止めをつかっているのに、そのせいで頭痛の症状が悪くなっているのです。
海外の頭痛外来では、来られる患者さんのうちヨーロッパにおいて30%、アメリカでは50%以上を薬物乱用性頭痛が占めます。
1か月で10日以上鎮痛薬を服用していると薬物乱用性頭痛の懸念があり、注意が必要です。薬物乱用性頭痛の場合は中止後2か月以内に頭痛が消失または以前のパターンに戻ります。薬の量を徐々に減らしていく方法と、即時中止する方法とでは即時中止した方が再発例が少ないそうです。
ここでは市販の鎮痛薬ではなく、漢方薬を中心に頭痛について考えたいと思います。
片頭痛,頭痛,生理前の頭痛,吐き気,手足の冷えには
片頭痛につかわれる代表的な漢方薬に呉茱萸湯(ごしゅゆとう)があります。
呉茱萸湯はエビデンスも集まっており、ロメリジンよりも高い有効率を示したり、慢性頭痛に対し頭痛発症頻度を減らし、鎮痛薬の内服回数を減少させたりすることがわかっています。
寒飲からくる頭痛に呉茱萸湯は使われます。
呉茱萸湯は温める漢方薬で頭痛・片頭痛、生理前の頭痛、吐き気、手足の冷えなどの症状にも適しています。
手足が冷えて肩がこり、頭痛、片頭痛に伴うはきけ・嘔吐、しゃっくりには呉茱萸湯です。
雨や低気圧による頭痛には
五苓散。体内に水が過剰に停滞することで気が頭までめぐらずに頭痛が生じます。
水の影響は体内だけでなく、外の天気からも影響を受け、雨の日、台風、低気圧のときに頭痛が起こる方に五苓散が適しています。
水飲の停滞は二日酔いの頭痛と捉えることもでき、二日酔いの頭痛にも五苓散がつかわれます。
雨、台風、低気圧のときの頭痛や不調には五苓散です。
頭が張るような頭痛,高血圧,肩こりには
頭が張るような痛み、舌が紅いときは風熱による頭痛です。
“風熱”が原因であるため、熱を冷ますために釣藤散が適しています。
釣藤散の釣藤鈎にて熄風、菊花・防風にて風熱を発散、石膏にて清熱します。
呉茱萸湯は温める漢方薬であるのに対し、釣藤散は冷やす漢方薬になります。
一般的によく起きる頭痛(緊張型頭痛)は、肩こりから上半身の筋肉が緊張し、こめかみや後頭部を締め付けるために起こります。
このような頭痛は肩こりのある方で長引きやすく、鎮痛薬を飲んでもぶり返すことがあるため、肩こりや血行不良などの不調もあわせてケアするためにも釣藤散が適してます。
めまい,立ちくらみも伴う頭痛には
めまい、立ちくらみに半夏白朮天麻湯がよく使用されます。
普段から脾胃の力が弱いと、体内の湿気を追い出すことができません。
その痰濁によって気の流れが塞がれ、めまい、頭痛を生じます。痰濁というのは体内のヌメリのようなものです。
食欲不振、軟便、頭痛、めまい、吐き気があるときは半夏白朮天麻湯が適しています。
半夏白朮天麻湯は体力中等度以下で、胃腸が弱く下肢が冷え、頭痛、頭重、立ちくらみ、めまいにつかわれます。
慢性的で刺すような頭痛,生理不順,イライラには
体の中に血の滞りがあることで慢性的で刺すような頭痛となります。
血の滞りは“瘀血”といわれ、それを取り除かなければ頭痛は改善しません。
頭痛の原因である瘀血をとるためには血腑逐瘀湯が適しています。
瘀血とは血の滞りによる頭痛であるため、頭痛の症状以外にも生理痛、生理不順、不眠、イライラしやし、怒りっぽいなどがあります。
慢性的で刺すような頭痛、のぼせには血腑逐瘀湯です。瘀血が強いときには生理痛、生理不順、イライラ、怒りやすさなども伴います。