↓にて症状を選ぶとあなたにあった漢方薬をおすすめします。
- Q1
- 気になる症状は?
目次
- 漢方での不眠の考え方
- 熱感、口渇、便秘のある不眠
- 疲れやすい、元気がない、あざができやすい方の不眠
- イライラ、ほてりのある方の不眠
- イライラ、気分の落ち込み、ストレスの不眠
- ささいなことが気になる方の不眠
- イライラ、生理不順、更年期の方の不眠
漢方での睡眠の考え方
漢方において気の動きが日中と夜間では異なります。
「日中は陽をめぐり、夜間は陰をめぐる」というように昼間は(衛)気が身体の表を巡り、身体を活発に動かし、邪の侵入を防ぎます。それに対し、夜間は気が陰に戻る時間となります。気はエネルギーなので、気が表を巡っていると身体も休まりませんが、夜は気が陰のなかに収まることで眠ることができるようになります。
以上が睡眠の考え方です。夜は気が血に収まることで眠れるようになります。
不眠の原因には大きくわけると気(熱)が活発すぎることによる不眠と、収まる陰の不足による不眠があります。
熱感、口渇、便秘のある不眠
夜は気が血に収まることで眠れますが、心血が不足していると、相対的に気(熱)が強まり眠れなくなります。
心陰虚による寝つきの悪さ、眠りが浅い、不安、動悸、熱感、口渇、便秘、舌が紅いときは天王補心丹にて心陰を補います。
疲れやすい、元気がない、あざができやすい方の不眠
夜に気が血に収まることで眠れるようになりますが、陰血は脾からつくられています。
脾の働きが弱ければ陰血を養うことができず、心血が不足し、結果として気(熱)が強くなるため不眠となります。
あざができやすい、体力中等度以下で、血色のわるい人が貧血や心身の過労によって、気分がイライラしたり、落ち着きがなくなったり、元気がなく口数が少なくなったりして精神不安や神経症、不眠症をおこした時に加味帰脾湯がおすすめです。
イライラ、ほてりのある方の不眠
心と腎が交通できないことでも不眠が生じます。
五臓において腎は水の臓、心は火の臓とされ、腎の水によって心の火を適度に冷ましています。
腎水が不足すると心火が過剰になり、心腎不交にて不眠になります。
のぼせ、胸苦しさ、耳鳴り、口渇があれば黄連阿膠湯が適していますが、市販では手に入りづらいため黄連解毒湯が適しています。
黄連解毒湯は清熱の漢方薬で、イライラ・ほてりの熱をとることでのぼせぎみで顔色が赤っぽく、いらいらする傾向がある方の「不眠症」、「神経症」等に用いられています。
イライラ、気分の落ち込み、ストレスの不眠
熱をもつ臓は心だけでなく、肝も熱をもちます。
肝というのは漢方の世界では精神症状と強く関連しています。
イライラが強いときは肝気鬱結、それがさらに極まると肝鬱化火と表現します。
ストレスや悩み事で肝の疏泄が失調し、イライラ・不安などの精神症状があらわれます。柴胡にて疎肝し、気の巡りを改善し、竜骨・牡蛎にて不安・イライラの精神症状の高ぶりを静めてくれます。
仕事、人間関係でイライラし、思い悩んでしまう方、テスト前や試合前、仕事前などに緊張して眠れない方などには柴胡加竜骨牡蛎湯がおすすめです。
ささいなことが気になる方の不眠
胆というのは肝と表裏をなす、六腑の1つです。
胆からは胆汁がでるように、その強い苦味よって五臓が正常に機能するようにらみを利かせています。その働きからも中正の官といわれ、偏りがないように、胆は決断をつかさどるとも言います。
胆が虚すことで決断できず、オドオドしたり、怖がって眠れなくなる症状がでます。
そのような心胆気虚の状態のときには安神定志丸を使うと本に書いてあることが多いですが、日本にはないため、桂枝加竜骨牡蛎湯にて気を鎮めるのがいいのではと考えています。
ふだん手のひらがじっとり湿っている神経質タイプで、手足がだるくて疲れやすい、頭がのぼせ、眠れず胸や腹部の動悸を自分で感じる、気分が憂うつで物忘れしやすく、さ細なことにも興奮しやすい症状には桂枝加龍骨牡蛎湯です。
イライラ、生理不順、更年期の方の不眠
憂うつ感、イライラの原因が血からきているときは加味逍遙散です。
血が不足することで肝気が機能せず、イライラ・不安、不眠となります。
血と関連があることからも生理不順、生理が来ない、生理前に胸が張るなどの症状もともないます。
そのようなときは加味逍遙散が適しています。加味逍遙散には柴胡・薄荷が入っており、気のめぐりを改善します。
それだけでなく、当帰という養血活血の生薬も入っていることからも生理不順・更年期などにもつかわれます。
不眠だけでなく、疲れやすい、肩こり、イライラ等のある体力中等度以下の方の「更年期障害」、「月経困難」、「月経不順」、「冷え症」、「不眠症」には加味逍遙散がおすすめです。
痰熱内擾の不眠
痰というと通常は喉に詰まるものの印象がありますが、漢方の世界においては喉だけでなく、身体にも溜まるという考えです。身体に余分な水が鬱滞し、鬱熱から煮詰められると痰となります。痰はやまいだれに火が2つです。痰は食事の不摂生による食滞からも生じ、痰が熱となり、痰熱によって不眠となります。味の濃い食事、油ものによって食滞が生じやすく、現代人にとって痰による不眠が多くなっています。不眠、胸苦しさ、抑鬱、不安、心下のつかえがあれば温胆湯が適しています。
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