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漢方でのイライラ・不安の考え方
調子が悪い時ってイライラも不安・抑うつ感もどちらの症状もありませんか?
漢方においてはイライラも不安・抑うつ感も”気の鬱滞”が原因です。
気はのびやかに全身をめぐることで、身体を動かし、温め、守ってくれています。
気のめぐりが悪くなると、気がのびきれないことから不安になり、気の鬱滞からイライラになります。
不安や抑うつ的になることと、気が立ってイライラしている状態は反対のように思えますが、漢方的にはどちらも気のめぐりの悪さが原因です(肝鬱気滞)。
不安もあるし、イライラもあるというときの漢方薬について説明します。
不安神経症、気分がふさぐ、のど・胸につっかえる感じがある
半夏厚朴湯は気分のふさぐ感じ、落ち込み、不安神経症などの不安症状によくつかわれます。
不安は気の流れが悪いことで起こります。
気の流れの悪さはメンタルだけでなく、胸・のどがふさがったような症状も与えます。
不安・心配から胸がつっかえるような症状がでたことはありませんか?
そのようなときに半夏厚朴湯がつかわれます。
半夏・厚朴・蘇葉が気分を降ろし、のど・胸のつっかえを降ろしてくれます。
半夏には吐き気を抑える作用もあり、気分の悪さからの吐き気にもつかいます。
不安神経症、気分がふさぐ、のど・胸につっかえる感じがあるときは半夏厚朴湯がおすすめです。
不安とイライラ、ストレスの不眠のある方
不安になりやすいだけでなく、イライラ・不眠もあるときには柴胡加竜骨牡蛎湯です。
肝というのは漢方の世界では精神症状と強く関連しています。
イライラが強いときは肝気鬱結、それがさらに極まると肝鬱化火と表現します。
ストレスや悩み事で肝の疏泄が失調し、イライラ・不安などの精神症状があらわれます。
柴胡にて疎肝し、気の巡りを改善し、竜骨・牡蛎にて不安・イライラの精神症状の高ぶりを静めてくれます。
仕事、人間関係でイライラし、思い悩んでしまう方、テスト前や試合前、仕事前などに緊張して眠れない方などには柴胡加竜骨牡蛎湯がおすすめです。
疲れ、ストレス、不眠と不安になりやすい方
加味帰脾湯は胃腸の働きを強くし、気血を補ってくれる漢方薬です。
胃腸の働きが弱いと血を補うことができず、疲れ、不眠、不安とイライラが生じやすくなります(心脾両虚)。
それだけでなく、人によってはあざもできやすくなります。
胃腸の弱さから気の不足となり、不安・抑うつ感とイライラとなっている状態です。
体力中等度以下で、血色のわるい人が貧血や心身の過労によって、気分がイライラしたり、落ち着きがなくなったり、元気がなく口数が少なくなったりして精神不安や神経症、不眠症をおこした時に加味帰脾湯がおすすめです。