女性の月経の周期は、個人差はありますが、約1ヵ月のサイクルの繰り返しとなっています。
女性は生理があることで血の循環がつくられています。
一般的な月経周期は、25~38日ごとに、周期の変動は6日以内で、持続日数が3~7日のものを指します。
漢方において生理不順は、気・血・水のなかで血が重要になってきます。
漢方において血海が満たされることで生理がはじまります。
血が不足していると、血海が満たすのに時間がかかるため生理が遅れがちになります。
その血をつくるためには胃腸が重要で、食べ物から気血をつくりだす必要があります。
また血のめぐりを邪魔するものがあれば、本来あるべきところに血がめぐらず、生理不順になります。
・いらいら、精神不安がある方向け
逍遙散or加味逍遙散
□生理不順
□肩凝り
□いらだち
□精神不安
□疲れやすい
□のぼせ感
□いらだち
逍遙散や加味逍遙散は”血の道症”という、女性ホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことにつかわれます。
逍遙散に山梔子(サンシシ)・牡丹皮(ボタンピ)が加わったものを加味逍遙散といいます。
加味逍遙散は山梔子・牡丹皮が加わることで過剰な熱をとってくれます。
いらいら、精神不安があれば逍遙散で、追加でのぼせ感があれば加味逍遙散の方が適しています。
芎帰調血飲第一加減
□生理不順
□いらだち
□精神不安
芎帰調血飲第一加減も加味逍遙散と同じく、血の道症(女性ホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状)につかわれる漢方薬です。
芎帰調血飲第一加減は気に働く生薬も入っていますが、それだけでなく血に働き補う生薬が多く入っています。
血をめぐらせる生薬数:芎帰調血飲第一加減>加味逍遙散
いらだち、精神不安があり、血のめぐりも気になる方は芎帰調血飲第一加減の方が適しています。
・虚弱体質向け
当帰芍薬散、当帰芍薬散加人参
□生理不順
□冷え性
□貧血
□むくみやすい
当帰芍薬散は虚弱体質向けの生理不順につかわれる漢方薬です。
さらに胃腸が弱い、虚弱な体質であれば気を補う人参が加わった当帰芍薬散加人参もあります。
気を補う働き:当帰芍薬散加人参>当帰芍薬散
四物湯
□生理不順
□冷え性
□肌の乾燥
□しみ
□貧血
四物湯は血を補う代表的な漢方薬で当帰芍薬散よりも血を補う生薬が多く入っています。
むくみが少なく、胃腸は問題なく、肌の乾燥、血の不足、血のめぐりが気になる方は四物湯の方が適しています。
(むくみがあり、胃腸の調子も弱い方は当帰芍薬散加人参の方が適しています)
・血の滞り体質向け(生理血に血の塊がある)
桂枝茯苓丸
□生理不順
□足冷え
□しみ
□しもやけ
桂枝茯苓丸は血の滞りがあるときにつかわれることが多い漢方薬です。
追加でにきび・しみ・手足のあれが気になる方はヨクイニンが追加になった桂枝茯苓丸加薏苡仁(ヨクイニン)もあります。
折衝飲
□生理痛が強い
□月経困難症
□肩凝り
□虚弱体質ではない
折衝飲の血の滞りを動かす力は桂枝茯苓丸よりも強いです。
血を動かす働き:折衝飲>桂枝茯苓丸
桃核承気湯
□生理不順
□生理痛
□便秘
□のぼせ
桃核承気湯は血を動かす生薬と便通を良くする生薬が入っています。
普段から便秘がちな方向けの漢方薬です。
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寒凝に対する薬がない