呉茱萸湯
偏頭痛、習慣性頭痛につかわれる呉茱萸湯です。簡単に言えば温めて気を降ろす漢方薬です。呉茱萸(ごしゅゆ)独特の辛味がありますが、その辛味によって温中下気します。
『傷寒論』での呉茱萸湯使われ方↓
呉茱萸湯は『傷寒論』では陽明病、少陰病、厥陰病の3か所に記載のある漢方薬です。
陽明病「食穀欲嘔、属陽明也、呉茱萸湯主之」
少陰病「少陰病、吐利、手足逆冷、煩躁欲死者、呉茱萸湯主之」
厥陰病「乾嘔吐涎沫、頭痛者、呉茱萸湯主之」
嘔吐や欲死者、頭痛など様々な症状に呉茱萸湯はつかわれますが、共通しているのは冷えによって上下の気の流れが阻塞されていることです。冷えによって胃の気がめぐらなければ嘔吐になります。冷えによって気がめぐらなければ手足が冷え、心腎不交となり死にたいと思うようになります。冷えによって気がめぐらず、寒飲が上衝すれば吐き気や頭痛となってあらわれます。呉茱萸湯は温中下気し、冷えているものを温めて降ろします。
効能又は効果は?
ツムラの添付文書には「手足の冷えやすい中等度以下の体力のものの次の諸症:習慣性偏頭痛、習慣性頭痛、嘔吐、脚気衝心」と記載があります。
何が入っているの?
呉茱萸湯は呉茱萸・生姜・人参・大棗の4薬から構成されています。
呉茱萸:温中下気
呉茱萸は独特の辛味があり、それによって気を温め降ろすことで吐き気や頭痛に効果を発揮します。
生姜:温胃止嘔
生姜も温め生薬で止嘔行水に働きます。
人参・大棗:温中補虚
気を中焦を補うことで陽気を助けます。
効果のまとめ
呉茱萸湯は多くは温める生薬から構成されており、主薬の呉茱萸は温中下気します。温めて気を降ろすことで偏頭痛や吐き気につかわれます。
処方箋でもらう薬とドラッグストアで売っている薬はどう違うの?
処方箋でもらうときツムラが多いので、ツムラにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。
ツムラ31 7.5g(3包)中には、、、
日局タイソウ 4.0g
日局ゴシュユ 3.0g
日局ニンジン 2.0g
日局ショウキョウ 1.5g
医療用のメーカーごとの違いは?
大手2社(ツムラ、コタロー)の生薬量を比較してみました。ツムラもコタローも使用されている生薬量に違いはありませんでした。
ドラッグストアで購入できるものとの違いは?
ドラッグストアで売られている市販のものにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。
クラシエの漢方(漢方セラピー)
こちらは医療用のツムラと生薬量は同じです。頭痛、偏頭痛が気になる方はこちらです。
偏頭痛には呉茱萸湯です。