足や指先が冷えるつらい冷え性にはどんな漢方薬がいいの?

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

女性の冷え性によくつかわれる当帰四逆加呉茱萸生姜湯です。温めて血の巡りをよくする漢方薬であるため、冷え性だけでなく、冷えによる頭痛、痛みにもつかわれます。

当帰芍薬散は血虚とむくみに対する漢方薬で温める生薬はあまり入っていません。当帰四逆加呉茱萸生姜湯には温める生薬が多く入っており、血虚と冷えに対応しています。むくみが気になるときは当帰芍薬散、冷えが強いときは当帰四逆加呉茱萸生姜湯をオススメします。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は『論寒論』に記載のある漢方薬です。

『傷寒論』での使い方↓

厥陰病に記載があります。

「手足厥寒、脈細欲絶者、当帰四逆湯主之」

「若其人内有久寒者、宜当帰四逆加呉茱萸生姜湯」

以上の条文からわかるように当時から手足の冷えにつかわれています。手足厥寒のときには当帰四逆湯で、“有久寒”があるときは当帰四逆加呉茱萸生姜湯です。血虚寒盛の当帰四逆湯に生姜・呉茱萸を加えることで久しい冷えでも巡らせることができるように強化されています。

目次

効能又は効果は?

コタローの添付文書には「貧血、冷え症で頭痛、胃部圧重感、腰痛または下腹痛があって凍傷にかかりやすいもの。凍傷、慢性頭痛、坐骨神経痛、婦人下腹痛。」と記載があります。

何が入っているの?

当帰・芍薬・桂枝・細辛・木通・呉茱萸・生姜・甘草・大棗の9薬から構成されています。当帰四逆湯に呉茱萸・生姜が加味されたものです。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯=当帰四逆湯+呉茱萸・生姜

当帰:活血行気

当帰は“血に帰る”という字からも血を補いつつ、流れも改善します。

芍薬:養血

芍薬も当帰と一緒によく使用され、血を養い、平肝します。

桂枝:温経通脈

桂枝は経を温めることで脈気を通します。

細辛:温経通脈

細辛のピリピリとした辛味にて温め、滞っている流れを通します。

木通:宣脈血脈

木通は利小便の印象が強いですが、当帰四逆加呉茱萸生姜湯では血脈関節を通利する目的で使用されています。

呉茱萸:散寒止痛

呉茱萸(ごしゅゆ)の温める作用は強く厥陰病期につかわれます。呉茱萸は大熱で温中下気します。肝経を温めるので温経湯にも入っており、女性の冷えの症状があるときの妙薬です。

生姜:散寒

生姜はショウガのことで温める生薬です。

甘草・大棗:補気

甘味にて気を補ってくれます。

効果のまとめ

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は女性の冷えによく使用されます。当帰・芍薬にて不足している血を養い、巡りを改善します。桂枝・細辛・木通にて気を通調し、冷えて動きの悪い経絡の動きを改善します。呉茱萸・生姜にて強く温め、甘草・大棗にて気を補います。

処方箋でもらう薬とドラッグストアで売っている薬はどう違うの?

処方箋でもらうときツムラが多いので、ツムラにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。

ツムラ38 7.5g(3包)中には、、、

日局タイソウ   5.0g
日局ケイヒ    3.0g
日局シャクヤク  3.0g
日局トウキ    3.0g
日局モクツウ   3.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局ゴシュユ   2.0g
日局サイシン   2.0g
日局ショウキョウ 1.0g

医療用のメーカーごとの違いは?

大手3社(ツムラ、クラシエ、コタロー)の生薬量を比較してみました。ツムラは原典では白朮のところを蒼朮としていました。使用されている生薬量はメーカーによって多少異なるところがありますが、ほぼ同じ量がつかわれています。

ドラッグストアで購入できるものとの違いは?

ドラッグストアで売られている市販のものにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。

漢方セラピー(クラシエの漢方)

市販用のクラシエです。医療用の半分の生薬量になっています。錠剤タイプなので粉が苦手な方にはオススメです。

 

足や指先が冷えるつらい冷え性には当帰四逆加呉茱萸生姜湯です。

 

 

 

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