にきび、蓄膿、慢性副鼻腔炎にはどんな漢方薬がいいの?

荊芥連翹湯

にきび、蓄膿(慢性副鼻腔炎)で使用される荊芥連翹湯です。森道伯がつくった一貫堂医学という考えにおいて、荊芥連翹湯は解毒証体質に方につかわれ、体質改善の漢方薬といえます。

 

以下の薬理作用がわかっています。

(1) 活性酸素産生抑制作用(ヒト由来の好中球系及びcell-freeのxanthine-xanthine oxidase系において、活性酸素(O2-、H2O2、OH・)産生を抑制した(in vitro ))。

(2) 抗アレルギー作用(DNFB-A/O感作前後に混餌投与したマウスのリンパ節細胞において、DNBS抗原刺激に対する増殖反応が抑制された。)

目次

効能又は効果は?

ツムラの添付文書には「蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび」と記載があります。

何が入っているの?

黄連・黄芩・黄柏・山梔子・地黄・当帰・芍薬・川芎・荊芥・連翹・防風・薄荷・白芷・柴胡・枳殻・甘草・桔梗の17薬から構成されています。

荊芥連翹湯=四物湯+黄連解毒湯+荊芥・連翹・防風・薄荷・白芷・柴胡・枳殻・甘草・桔梗

黄連・黄芩・黄柏・山梔子:清熱

黄連・黄芩・黄柏・山梔子は全て苦寒の生薬であり、熱を冷まします。慢性副鼻腔炎の膿は水飲が熱化したものであり、にきびも赤く熱をもっている場合に清熱します。

地黄・当帰・芍薬・川芎:養血

これら4薬の組み合わせは四物湯で知られ、血を養います。病の初期は気分の表層に邪があっても、時間の経過や病気の進行によって表層から深層の血の領域に進行していきます。そのようなときは四物湯のような血に働く生薬を使う必要があります。

荊芥・連翹・防風・薄荷・白芷:袪風解表・透疹

これらすべて風熱を発散する生薬です。慢性副鼻腔炎もにきびも風熱がこもっている状態であるため、風熱を発散します。

柴胡:透表泄熱

小柴胡湯にも入っているように柴胡は邪を表に出す生薬です。熱毒が三焦で壅滞している状態であるため、柴胡をもって少陽枢機を展開し、三焦の邪を透表します。

桔梗・枳殻:排膿

桔梗・枳殻(枳実)は排膿散にも入っており、膿を排出します。

効果のまとめ

荊芥連翹湯は熱・血虚・風に対応した漢方薬です。黄連・黄芩・黄柏・山梔子の黄連解毒湯の組み合わせで清熱、地黄・当帰・芍薬・川芎にて養血します。荊芥・連翹・防風・薄荷・白芷にて風を発散し、皮膚・鼻の表層の熱を出します。桔梗・枳殻にて排膿します。これらの作用にてにきびや慢性副鼻腔炎、蓄膿症に使用されます。

慢性副鼻腔炎・蓄膿症で使われるほかの漢方薬との違いは?

慢性副鼻腔炎・蓄膿症でつかわれる漢方薬に辛夷清肺湯、荊芥連翹湯、葛根湯加川芎辛夷があります。

辛夷清肺湯

小林製薬からチクナインという名前でも販売されているのは辛夷清肺湯のことです。辛夷という開竅、鼻を通す生薬が配合され、膿のつまり、鼻づまりの症状が気になるときは辛夷清肺湯が適しています。

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荊芥連翹湯

荊芥連翹湯には熱に作用する生薬と血に働く生薬が入っているため、慢性副鼻腔炎でも鼻・皮膚も乾燥している場合、辛夷清肺湯でも改善がみられない場合に荊芥連翹湯にて体質改善します。

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葛根湯加川芎辛夷

葛根湯加川芎辛夷は辛夷清肺湯、荊芥連翹湯と異なり、温める漢方薬です。そのため慢性副鼻腔炎・蓄膿でも冷えが原因によるもの、風邪から派生したものであれば葛根湯加川芎辛夷が適しています。

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にきびで使われるほかの漢方薬との違いは?

にきびでつかわれる漢方薬には清上防風湯、荊芥連翹湯、桂枝茯苓丸加薏苡仁があります。

清上防風湯

清上防風湯は黄連解毒湯と風熱を発散する生薬をあわせたものです。そのため清熱に優れ、にきびでも熱感が強いものは清上防風湯が優れています。

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荊芥連翹湯

荊芥連翹湯は清上防風湯と四物湯をあわせたような漢方薬になっています。そのため血虚という血の不足による皮膚の乾燥があれば、血を養うため荊芥連翹湯が適しています。

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桂枝茯苓丸加薏苡仁

桂枝茯苓丸加薏苡仁は血の巡りに優れた漢方薬です。にきびでも赤みが強いものではなく、血の滞りによるくすんだ色のにきびがみられるものであれば桂枝茯苓丸加薏苡仁です。

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柴胡清肝湯と荊芥連翹湯の違い

“柴胡清肝散と荊芥連翹湯の薬理作用の相違点はどうかというと、前者は主として肝経、胆経、三焦経の病気を治すのに反して、後者は陽明経の病気を主治する点である。

すなわち、青年期における解毒証体質者は扁桃炎、中耳炎を病みやすかつた小児期とちがつて体質に変化を来たし、主として蓄膿症を起こすようになる。したがつて、一貫堂医学の病理によれば、小児期の扁桃炎と、青年期の蓄膿症は同一性質の病気であることがわかり、蓄膿症が手術だけでは根治しにくいのも体質に原因があるからである。”矢数格著『漢方一貫堂医学』

処方箋でもらう薬とドラッグストアで売っている薬はどう違うの?

処方箋でもらうときツムラが多いので、ツムラにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。

ツムラ50 7.5g(3包)中には、、、

日局オウゴン   1.5g
日局オウバク   1.5g
日局オウレン   1.5g
日局キキョウ   1.5g
日局キジツ    1.5g
日局ケイガイ   1.5g
日局サイコ    1.5g
日局サンシシ   1.5g
日局ジオウ    1.5g
日局シャクヤク  1.5g
日局センキュウ  1.5g
日局トウキ    1.5g
日局ハッカ    1.5g
日局ビャクシ   1.5g
日局ボウフウ   1.5g
日局レンギョウ  1.5g
日局カンゾウ   1.0g

ドラッグストアで購入できるものとの違いは?

ドラッグストアで売られている市販のものにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。

ツムラ漢方

こちらは一般用医薬品のツムラです。生薬の1日量では医療用の半分となっています。

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漢方セラピー クラシエ

医療用の6割の生薬が入っています。錠剤タイプです。

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PHARMA CHOICE(Amazon限定)

Amazon限定の商品です。市販されているなかでは最もきちんと生薬がつかわれています。医療用のものよりも生薬がしっかり入っており、生薬量で選ぶならこちらの商品がオススメです。

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にきび、蓄膿、慢性副鼻腔炎には荊芥連翹湯

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