五十肩には二朮湯

二朮湯

五十肩につかわれる二朮湯です。五十肩の正式名称は関節周囲炎といいます。肩関節の炎症から動きが固くなり、肩もあげにくくなっていきます。そんな五十肩、四十肩につかわれるのが二朮湯です。

二朮湯は肩の痛みでも痰湿によって気が巡らないことで生じる痛みにつかわれます。そのため二朮湯は湿を取り除く生薬から構成されています。さらに痰の詰まりがひどいことで肩が痛むときは延年半夏湯が向いています。

二朮湯には蒼朮・白朮が入っており、そこから名前がついていると推測されます。

目次

効能又は効果は?

ツムラの添付文書には「五十肩」と記載があります。

何が入っているの?

天南星・半夏・陳皮・蒼朮・羌活・白朮・茯苓・香附子・威霊仙・黄芩・甘草・生姜の12薬から構成されています。

半夏・陳皮・天南星:化痰

陳皮・半夏の組み合わせは二陳湯にも入っているように脾胃の痰湿を化痰します。天南星は辛味が強く、走るため熄風の作用を兼ね、風痰も取り除きます。

蒼朮:祛湿

蒼朮は白朮に比べ、身体の湿を取り除く作用に優れています。白朮は健脾の作用に優れています。

羌活:袪風湿

風湿によって気機が阻滞されて、痛みが生じます。羌活は風湿を取り除くことで関節の痛みに効きます。

白朮・茯苓:利水

白朮・茯苓にて過剰な水を追い出します。

香附子:理気薬

香附子にて気を走らせることで水飲・痰飲の流れを改善します。

威霊仙:通絡止痛

威霊仙は辛味にて通利し、経絡の痛みを取ります。

黄芩:清熱

黄芩にて鬱滞している熱をとります。

効果のまとめ

二朮湯は痰湿によって気が阻滞し、通じざれば即ち痛む、というように痛みが生じます。天南星・半夏・陳皮にて化痰、蒼朮にて祛湿、羌活にて袪風湿、白朮・茯苓にて利水、香附子にて気をめぐらせ、威霊仙にて通絡止痛し、黄芩にてこもっている熱を取ります。

処方箋でもらう薬とドラッグストアで売っている薬はどう違うの?

処方箋でもらうときツムラが多いので、ツムラにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。

ツムラ88 7.5g(3包)中には、、、

日局ハンゲ    4.0g
日局ソウジュツ  3.0g
日局イレイセン  2.5g
日局オウゴン   2.5g
日局コウブシ   2.5g
日局チンピ    2.5g
日局ビャクジュツ 2.5g
日局ブクリョウ  2.5g
日局カンゾウ   1.0g
日局ショウキョウ 1.0g
テンナンショウ  2.5g
ワキョウカツ   2.5g

医療用のメーカーごとの違いは?

大手3社(ツムラ、クラシエ、コタロー)の生薬量を調べてみましたが、扱いがるのはツムラのみでした。

 

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