清心蓮子飲の市販薬のおすすめ2選

清心蓮子飲

目次

清心蓮子飲とは?

清心蓮子飲は『和剤局方』に記載のある漢方薬です。

『和剤局方』では”心中煩躁、思慮憂愁、抑鬱”のときにつかいます。

煩躁というのは、心がモヤモヤしたような感じのことを指します。

心がモヤモヤして、考え込んだり、抑鬱からくる残尿感、頻尿に清心蓮子飲がつかわれているのです。

なぜ心のモヤモヤ、悩みごと、考えごと、抑鬱から頻尿、残尿感になるのでしょうか?

思慮憂愁、悩みごとがあると、徐々に心陰を消耗していきます。

心陰が不足し、心を冷やすことができなくなると、心に熱がこもってきます。

心に熱がこもると、イライラするようになります。

そして、漢方では心は腎とはつながっています。

心のイライラから、心と腎の連携が悪くなると、心腎不交といわれる状態になります。

心腎不交から、腎の働きも悪くなり、残尿感、頻尿になります。

心と小腸は表裏の関係にあります。

心の熱が小腸へ影響し、小腸で清濁を分けることができなくなり、濁が下注すると、尿が濁り、排尿痛となります。

清心蓮子飲をつかう頻尿・排尿痛の一番の原因は心陰不足です。

清心蓮子飲は心陰を補う生薬が多く入り、竜胆瀉肝湯、五淋散のように熱を取る生薬は黄芩・地骨皮のみの構成になっています。

頻尿・排尿痛にもいくつかの原因があります。邪による炎症で症状があるときは五淋散、竜胆瀉肝湯が適しています。虚からくる頻尿には清心蓮子飲が適しています。

清心蓮子飲の効能効果は?

ツムラの添付文書には「全身倦怠感があり、口や舌が乾き、尿が出しぶるものの次の諸症:残尿感、頻尿、排尿痛」と記載があります。

清心蓮子飲には何が入っているの?

車前子・茯苓・蓮肉・麦門冬・黄芩・地骨皮・人参・黄耆・甘草の9薬から構成されています。

車前子・茯苓:利水

車前子・茯苓ともに利水の生薬で尿がしぶる症状を改善します。車前子・茯苓ともに甘味の生薬であり、清心蓮子飲の陰虚の状態であっても陰を傷つけずに利水することができます。茯苓は安神を兼ね、車前子は清肝も兼ねます。

蓮肉:養心益腎

蓮肉はハスの種子です。甘・渋の生薬で養心し、腎を益します。清心蓮子飲は心陰が不足し、心腎不交の状態であるため、蓮肉にて心腎の交通もはかります。

麦門冬:清心除煩

心陰虚の状態に麦門冬の甘味にて補います。

黄芩:清熱逐水

黄芩は肺経に入る生薬であり、清熱します。肺は水道を主る臓であり、黄芩にて水を巡らせ、尿をしぶっている状態を逐水します。“逐水”は『神農本草経』に記載があります。

地骨皮:清熱涼血

地骨皮にて血尿の原因となる血熱を涼血します。

人参・黄耆・甘草:補気

人参・黄耆・甘草にて気を補うことで脾の働きを強くし、生津を補います。

ほかの漢方薬との違いは?

膀胱炎でもちいられる漢方薬には五淋散、竜胆瀉肝湯、清心蓮子飲、猪苓湯があります。

五淋散

五淋散は滑石・車前子・沢瀉・木通が入っており、竜胆瀉肝湯よりも利水通淋の作用に優れる。滑石は“滑らせる石”ということで通淋にすぐれている。

竜胆瀉肝湯

竜胆瀉肝湯は竜胆・黄芩・山梔子が入っており、五淋散よりも清熱に優れる。竜胆は大苦・大寒にて清熱にすぐれている。

清心蓮子飲

清熱の作用は強くなく、陰が不足し、相対的に熱に偏っているときには清心蓮子飲が適しています。

清心蓮子飲はほかの漢方薬と違い、人参、黄耆の補う生薬も入っています。

清心蓮子飲は人参、黄耆の補う生薬も多く入っています。そのため一般的には胃腸が弱い方の頻尿・排尿痛につかわれることもあります。

猪苓湯

清熱の作用はないが、通淋の滑石と補陰の阿膠が配合されており、膀胱炎後に症状だけが残った時につかわれることが多いです。

清心蓮子飲の医療用のメーカーごとの違いは?

大手3社(ツムラ、クラシエ、コタロー)の生薬量を比較してみましたが、ツムラのみの扱いでした。

清心蓮子飲の市販薬のおすすめは?

清心蓮子飲の市販薬で一番のおすすめは小林製薬のユリナールです。

ユリナールb

ユリナールとカタカナの名前ですが、入っているのは清心蓮子飲です。

医療用のツムラの清心蓮子飲には人参は3.0gも入っていますが、ユリナールには人参が3.5gも入っています。

生薬によっては医療用よりも多くの生薬がつかわれています。

錠剤タイプになっており、粉が苦手な方でも服用しやすくなっています。

ツムラ

次におすすめが市販薬用のツムラです。

市販薬のツムラ清心蓮子飲は医療の半分の生薬量が入っています。

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