生理不順、更年期、しみ、にきびにはどんな漢方薬がいいの?

桂枝茯苓丸

婦人科でよく処方される漢方薬で生理不順、更年期障害など婦人科でよくみられる症状だけでなく、冷え性、打撲、痔にも効能、効果があります。一般用医薬品の効能に、肩こりの記載があるものもあります。一言でいえば、気を降ろし、血の巡りをよくする漢方薬です。

子宮筋腫や子宮内膜症にも使用されています↓。

https://ci.nii.ac.jp/els/contents110004872179.pdf?id=ART0008058086

目次

効能又は効果は?

ツムラの添付文書には「体格はしっかりしていて赤ら顔が多く、腹部は大体充実、下腹部に抵抗のあるものの次の諸症:子宮並びにその付属器の炎症、子宮内膜炎、月経不順、月経困難、帯下、更年期障害(頭痛、めまい、のぼせ、肩こり等)、冷え症、腹膜炎、打撲症、痔疾患、睾丸炎」と記載があります。

何が入っているの?

桂枝茯苓丸には桂枝、茯苓、桃仁、牡丹皮、芍薬の5つの生薬が配合されています。

茯苓:利水作用、気を降ろす作用

サルノコシカケ科マツホドの菌核のこと。利水作用があり、身体の水のバランスを調整してくれます。胃内停水を改善し、胃腸機能を調える作用、気を降ろす作用があり、精神安定作用もあります。中医学では気が上がってくることでのぼせの更年期症状があらわれると考えられています。桂皮と茯苓が組むことで上衝した気を降ろし、めまい、頭痛、のぼせを改善します。

桂皮:気を降ろす作用

桂皮はいわゆるシナモンの仲間です。この漢方薬はシナモンいい香りがします。この桂皮には発汗解表作用気を降ろす作用などがあります。発汗作用があるため葛根湯などの風邪薬に使われますし、気を降ろす作用があるのでこの桂枝茯苓丸にも使用されています。

桃仁:駆瘀血作(血の巡りをよくする)

バラ科モモの種子のこと。桃仁には血(くおけつ)作用と、種子には油分が多いこともあり、便通をよくする作用もあります。血の鬱滞、血の流れが滞っている状態のことをといい、その状態を改善することを駆瘀血作用といいます。血の巡りを良くすることで生理不順、生理痛を改善します。肛門での血の巡りを良くすることで痔にも効果があります。打撲も血の流れが悪い状態であるため、打撲にも効果があります。

牡丹皮:駆瘀血作用

ボタン科ボタンの根皮のこと。こちらの生薬にも血作用と、熱を鎮める、清熱作用があります。牡丹皮、桃仁が組むことでより強力に血を改善します。

芍薬:鎮痙作用

芍薬というのは、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」ということわざでも聞いたことがあるようにシャクヤクという植物の根です。芍薬には鎮痙作用があります。痙攣を鎮める作用です。筋肉の痙攣を抑える作用だけでなく、お腹の痛みをとる目的(桂枝加芍薬湯など)でも用いられます。血を除き、生理不順や生理痛にも効果があります。

効果のまとめ

茯苓、桂皮で気を降ろし、めまい、のぼせを緩和し、桃仁、牡丹皮で血の巡りをよくすることで生理不順を改善。芍薬でお腹の痛みを和らげます。

他の漢方薬との違い

・当帰芍薬散と桂枝茯苓丸の違い

桂枝茯苓丸はどちらかというと体力が充実している方、冷えのぼせがある方に使用されます。そのため、女性だけでなく、男性にも使用されます。事実、自分はにきび、肩こりの予防として服用しています。それに対し当帰芍薬散は色白で虚弱なでむくみがある方に使用されます。当帰芍薬散が血を補い、余計な水をとってくれます。

・加味逍遙散と桂枝茯苓丸の違いは?

加味逍遙散もよく女性に使用されることの多い漢方薬です。こちらはどちらかというとイライラなど精神的な症状があるときに使用されます。

・桃核承気湯と桂枝茯苓丸の違いは?

桂枝茯苓丸も体力がある方に使用されますが、より体力が充実した方に使用されるのが桃核承気湯です。のぼせ、便秘があるときはこちらを使用します。

・桂枝茯苓丸加薏苡仁と桂枝茯苓丸の違いは?

桂枝茯苓丸加薏苡仁は桂枝茯苓丸に薏苡仁を加えたものです。ヨクイニンはサプリメントや化粧品にも配合されているハトムギのことです。桂枝茯苓丸だけでもシミ、にきびに使用されますが、薏苡仁が加わることでより肌の症状を改善します。

処方箋でもらう薬とドラッグストアで売っている薬はどう違うの?

処方箋でもらうときツムラが多いので、ツムラにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。

ツムラ25 7.5g(3包)中には、、、

日局ケイヒ   3.0g
日局シャクヤク 3.0g
日局トウニン  3.0g
日局ブクリョウ 3.0g
日局ボタンピ  3.0g

医療用漢方薬のメーカーでの違いは?

大手3社(ツムラ、クラシエ、コタロー)で比較しました。ツムラはすべての生薬は3.0gずつですが、クラシエ、コタローは4.0g配合されています。成分だけで考えると、クラシエ、コタローが生薬量が多くなっています。

ドラッグストアで購入できるものとの違いは?

ドラッグストアで売られているものにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。

ツムラ漢方

2包、1日量で日局ケイヒ 1.5g、日局シャクヤク 1.5g、日局トウニン 1.5g、日局ブクリョウ 1.5g、日局ボタンピ 1.5gと医療用の半分の量が配合されています。

クラシエ

クラシエの市販用のシリーズ。医療用の半分の生薬量となっています。こちらは赤いパッケージのものは錠剤タイプとなっており、粉が苦手な方にはおすすめです。

ペア漢方エキス錠

ペアの漢方薬のタイプです。各生薬、2.67gずつ配合されており、医療用の3分の2の量が入っています。市販の中では生薬量が多くなっています!!こちらも錠剤タイプとなっており、粉が苦手な方にはおすすめです。

クラシエ漢方桂枝茯苓丸料加ヨク苡仁

桂枝茯苓丸加薏苡仁は桂枝茯苓丸に薏苡仁を加えたものです。ヨクイニンはサプリメントや化粧品にも配合されているハトムギのことです。桂枝茯苓丸だけでもシミ、にきびに使用されますが、薏苡仁が加わることでより肌の症状を改善します。ちらも錠剤タイプとなっており、粉が苦手な方にはおすすめです。

桂枝茯苓丸は気を降ろし、血の巡りをよくする漢方薬です。生理不順、更年期だけでなく、痔、打ち身、冷え性、にきび、しみ、肩こりと幅広く効果を発揮します。

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