柴胡清肝湯とは?
柴胡清肝湯は「かんの強い傾向のある小児の次の諸症:神経症、慢性扁桃腺炎、湿疹」の効能効果をもつ漢方薬です。
柴胡清肝湯はかんが強い(イライラしがちな)子供の神経症、扁桃腺炎、湿疹と精神症状から皮膚疾患に広くつかうことができます。
柴胡清肝湯と一貫堂医学
一貫堂医学で頻用される漢方薬の1つが柴胡清肝湯です。
一貫堂医学というのは、森道伯によってつくられた流派の1つです。
一貫堂医学での頻用処方に、通導散、防風通聖散、柴胡清肝湯、荊芥連翹湯、龍胆瀉肝湯があり、現在でもよくつかわれる処方がその当時からもつかわれていました。
柴胡清肝湯は一貫堂医学において解毒する必要がある体質の解毒証体質の方に使います。
とくに小児の解毒証体質に柴胡清肝湯(散)が頻用され、現在でも適応に”小児の”と書いてあるのは、その考えが残っているからです。
小児の解毒証体質に柴胡清肝湯、青年期以降の解毒証体質に荊芥連翹湯、下焦の疾患(小児期には少ないため青年期以降の方)に竜胆瀉肝湯がつかわれていました。
何が入っているの?
黄連・黄芩・黄柏・山梔子・地黄・当帰・芍薬・川芎・連翹・桔梗・牛蒡子・薄荷・柴胡・栝楼根・甘草の15薬から構成されています。
柴胡清肝湯=四物湯+黄連解毒湯+連翹・桔梗・牛蒡子・薄荷・柴胡・栝楼根・甘草
柴胡清肝湯の働き
柴胡清肝散は肝、胆、三焦経の風熱を治すことになるので、この三経路は、喉頭、頚部、耳前耳後耳中を経絡するので、柴胡清肝散が、これらの部分の病気に応用される理由もはつきりする次第であり、小児期の解毒証体質者は概してこの部分の病気に犯され易く、したがつて、柴胡清肝散が小児期の解毒証体質を主宰することになるのである。
数格著『漢方一貫堂医学』
柴胡は気をめぐらせる生薬でもあり、肝胆経の引経薬でもあります。
柴胡清肝湯には四物湯と黄連解毒湯の組み合わせが入っており、養血と清熱を兼ねます。
連翹・桔梗で排膿し、牛房子・薄荷にて風熱を発散します。
ほかの漢方薬との違いは?
柴胡清肝湯と荊芥連翹湯の違い
青年期における解毒証体質者は扁桃炎、中耳炎を病みやすかつた小児期とちがつて体質に変化を来たし、主として蓄膿症を起こすようになる。したがつて、一貫堂医学の病理によれば、小児期の扁桃炎と、青年期の蓄膿症は同一性質の病気であることがわかり、蓄膿症が手術だけでは根治しにくいのも体質に原因があるからである。
矢数格著『漢方一貫堂医学』
一貫堂方では小児の解毒証に柴胡清肝湯、青年以降の解毒証には荊芥連翹湯がつかわれています。
柴胡清肝湯と荊芥連翹湯の生薬の違いとしては、牛房子、栝楼根がなくなり、荊芥、防風、白芷、枳殻が追加されています。
青年期になり、体力もある程度あるためか、風熱を発散する生薬が強化されています。
柴胡清肝湯の医療用の違いは?
柴胡清肝湯はツムラ、コタロー、テイコクから販売されていますが、どちらのメーカーも入っている生薬量は同じでした。
市販の柴胡清肝湯のおすすめは?
柴胡清肝湯は市販ではウチダ、タキザワ、松浦、コタロー、一元から販売されていますが、おすすめはコタローです。
コタローの柴胡清肝湯はほかの商品よりも生薬量が多く入り、おすすめなのですが、販売店が少なく、手に入るのが難しいです。
そのため通販で購入におすすめなのは、エキス顆粒は松浦、錠剤タイプは一元です。
松浦と一元は通販で購入できるので、↓にリンクを貼っています。