カサカサした肌のかゆみ、湿疹にはどんな漢方薬がいいの？

2020年9月5日2020年9月8日

当帰飲子

カサカサの肌の乾燥とともにかゆみがあるときに使われる当帰飲子です。当帰飲子の特徴に肌の乾燥を潤すことがあげられます。

かゆみで掻く→肌の栄養がなくなる→乾燥する→乾燥にてかゆみが悪化する

こういった悪循環になるのを当帰飲子にて潤すとともに、かゆみを追い払う生薬が入っています。アトピーの症状でカサカサしてかゆみがあるときも当帰飲子を使うことができます。

効能又は効果は？

ツムラの添付文書には「冷え症のものの次の諸症：慢性湿疹(分泌物の少ないもの)、かゆみ」と記載があります。

何が入っているの？

地黄・当帰・芍薬・川芎・何首烏・黄耆・防風・荊芥・蒺藜子・甘草の１０薬から構成されています。

当帰飲子＝四物湯＋何首烏・黄耆・防風・荊芥・蒺藜子・甘草

地黄・当帰・芍薬・川芎・何首烏：養血活血

地黄・当帰・芍薬・川芎は四物湯の組み合わせで知られ、血を養い、巡らせます。何首烏（かしゅう）も血を養し、これら５つの生薬にて陰血を補います。急迫的なかゆみは肝血不足による肝風の影響もあるため、それも防ぎます。

黄耆：托瘡生肌

黄耆は気を表まで持ち上げる生薬です。気を肌膚まで巡らせることで傷の治りが悪いときに使用されます。

防風・荊芥・蒺藜子：袪風

かゆみの原因は風によるもので、防風・荊芥・蒺藜子にて風を去り、かゆみを緩和します。

効果のまとめ

当帰飲子は肌の乾燥を伴うかゆみに使用されます。地黄・当帰・芍薬・川芎・何首烏にて血を養うことで肌の乾燥を防ぎます。黄耆は気を肌膚まで巡らせることで傷の治りを改善し、防風・荊芥・蒺藜子によってかゆみの原因となる風を追い出します。

ほかの漢方薬との違いは？

皮膚疾患で使用される漢方薬は十味敗毒湯、消風散、黄連解毒湯、当帰飲子があります。

当帰飲子

当帰飲子は肌の乾燥を伴うかゆみに使用されます。地黄・当帰・芍薬・川芎・何首烏にて血を養うことで肌の乾燥を防ぎます。黄耆は気を肌膚まで巡らせることで傷の治りを改善し、防風・荊芥・蒺藜子によってかゆみの原因となる風を追い出します。乾燥とかゆみの症状があるときは当帰飲子が向いています。

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十味敗毒湯

十味敗毒湯は風寒湿をとりのぞく漢方薬です。独活・荊芥にて風寒“湿”を散じ、防風・柴胡・川芎にて風を散じるのを助けます。風と湿を発散する作用が強いため十味敗毒湯は化膿性皮膚疾患、じんましん、急性湿疹に用いられます。

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消風散

消風散もよく使用される漢方薬で、名前の通り“風”を消すことに特化した方剤です。ツムラの添付文書にも「分泌物が多く、かゆみの強い慢性の皮膚病(湿疹、蕁麻疹、水虫、あせも、皮膚そう痒症)」とあり、“かゆみが強い”と記載があります。蝉退・防風・荊芥・牛蒡子にて風熱を散じ、当帰・生地黄・知母・苦参・胡麻仁・石膏にてかゆみの原因になっている血の熱をとるとともに、清熱します。