杭菊花(こうきくか)の効能効果は?

杭菊花は疎散風熱、平肝明目、清熱解毒の働きから止痢、消炎、明目、降圧、降脂、強身に応用されます。

杭菊花
気味:甘・微苦 微寒
帰経:肺・肝

抵抗の”抗”と漢字が似ていますが、こちらは手へんで、杭菊花の”杭”は木へんです。

目次

杭菊花が入っている漢方薬は?

杭菊花は桑菊飲、杞菊地黄丸、釣藤散に入っています。

杭菊花と野菊花の違いは?

杭菊花は疎散風熱、下降肝陽に働き、野菊花は清熱解毒の働きが強いです。

漢方でつかわれる菊花には杭菊花野菊花の2種類があります。

ここで説明する杭菊花は疎散風熱、下降肝陽に優れます。

それに対し、野菊花は清熱解毒に優れ、五味消毒飲に入っています。

杭菊花は甘・微苦 微寒。

野菊花は苦・辛、微寒。

味が異なり、野菊花は辛味をもっていることから発散の清熱解毒の性質があります。

帰経はどちらも肺・肝となっています。

杭菊花と野菊花は働きが違います。
杭菊花が熄風、野菊花が解毒です。

杭菊花の働きは?

疎散風熱

杭菊花は桑菊飲に入っています。

風熱が肺に入ってきたときの咳につかう漢方薬です。

桑菊飲には杭菊花以外にも連翹、桑葉も入り、風熱に対応した漢方薬となっています。

平肝明目

肝は顔のなかで目に開竅しています(耳は腎、鼻は肺)。

肝の高ぶりによって目のかすみにつながります。

そのときは杞菊地黄丸にて明目します。

杞菊地黄丸の”杞菊”は枸杞の実と杭菊花を意味しています。

枸杞の実は肝腎を養い、抗菊花にて平肝し、目のかすみを緩和します。

下降肝陽

肝陽が高ぶるとイライラ、頭痛になります。

漢方では肝陽上亢の状態といいます。

杭菊花は高ぶった肝陽を鎮めてくれます。

肝陽上亢の頭痛につかう漢方薬に釣藤散があります。

釣藤散の釣藤鈎(ちょうとうこう)と杭菊花にて肝陽を鎮めてくれます。

杭菊花は桑菊飲、枸菊地黄丸、釣藤散に入っています。桑菊飲の杭菊花は風熱を発散、枸菊地黄丸の杭菊花は明目、釣藤散の杭菊花は肝陽を降ろす目的で配合されています。

杭菊花は風熱を発散し、肝陽を鎮める働きがメインです。目のつかれにもいいですね。

古典

気味:苦 平<神農本草経>

帰経:肺・心<葉天士解本草>

『神農本草経』

気平。味苦。無毒。主諸風。頭眩腫痛。目欲脱。涙出。皮膚死肌。悪風湿痺。久服利血気。軽身耐老延年。

『葉天士解本草』

甘菊気平。稟天秋平之金気。入手太陰肺経。味苦無毒。得地南方之火味。入手少陰心経。気味俱降。陰也。味苦清火。火抑金勝。発花於秋。其稟秋金之気独全。故為制風木之上薬也。

諸風皆属於肝。肝脈連目系上出額。與督脈会於肝風熾則火炎上攻頭脳而眩。火盛則腫而痛。其主之者。味苦可以清火。気平可以制木也。

肝開竅於目。風熾火炎。則目脹欲脱。其主之者。

制肝清火也。手少陰之正脈。上走喉嚨。出於面。合目内眥。心為火。火甚則心系急而涙出。其主之者。

苦平可以降火也。皮膚乃肺之合。肌肉乃脾之合。木火刑肺金脾土。則皮膚肌肉皆死。甘菊稟金気。具火味。故平木清火而主皮膚死肌也。

其主悪湿痺者。風湿成痺。風統於肝。甘菊気平。有平肝之功。味苦有燥湿之力也。

久服利血気者。肺主気。気平益肺。所以有利於気。心主血。味苦清心。所以有利於血。利於気。気充身自軽。利於血。血旺自耐老。気血皆利。其延年也必矣。

気平。味苦。無毒。

甘菊気平。稟天秋平之金気。入手太陰肺経。味苦無毒。得地南方之火味。入手少陰心経。気味俱降。陰也。味苦清火。火抑金勝。発花於秋。其稟秋金之気独全。故為制風木之上薬也。

主諸風。頭眩腫痛。

諸風皆属於肝。肝脈連目系上出額。與督脈会於肝風熾則火炎上攻頭脳而眩。火盛則腫而痛。其主之者。味苦可以清火。気平可以制木也。

目欲脱。

肝開竅於目。風熾火炎。則目脹欲脱。其主之者。

涙出。

制肝清火也。手少陰之正脈。上走喉嚨。出於面。合目内眥。心為火。火甚則心系急而涙出。其主之者。

皮膚死肌。

苦平可以降火也。皮膚乃肺之合。肌肉乃脾之合。木火刑肺金脾土。則皮膚肌肉皆死。甘菊稟金気。具火味。故平木清火而主皮膚死肌也。

悪風湿痺。

其主悪湿痺者。風湿成痺。風統於肝。甘菊気平。有平肝之功。味苦有燥湿之力也。

久服利血気。軽身耐老延年。

久服利血気者。肺主気。気平益肺。所以有利於気。心主血。味苦清心。所以有利於血。利於気。気充身自軽。利於血。血旺自耐老。気血皆利。其延年也必矣。

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