升麻(しょうま)の効能効果とは?

升麻は発表透疹、清熱解毒、升陽挙陥の働きから、時気疫厲、頭痛寒熱、喉痛、口瘡、斑疹不透、中気下陥、久瀉久痢、脱肛、婦女崩帯、子宮下陥、癰腫瘡毒に応用されます。

升麻
気味:甘・辛 涼
帰経:脾・胃・肺・大腸

目次

升麻の働きとは?

升麻はショウマの根茎を乾燥させたものです。

植物の根茎で見た目は重そうにみえますが、実際に持ってみると意外に軽い生薬です。

升麻は軽い生薬であることからも升陽の働きをもつことがわかります。

升麻は黒く、重たそうな見た目をしていますが、よく見るとすき間だらけ。持ってみると軽く、升陽の性質があることがわかります。

発表透疹・清熱解毒

升麻は升麻葛根湯、普済消毒飲、托裏透膿散につかわれ、発疹を透表、清熱解毒します。

升麻には”百毒を解くをつかさどる”と『神農本草経』に書いてあります。

湿疹の原因となっている毒を追いだし、清熱解毒します。

升麻は辛・甘であり、辛味をもつため、発散する性質があります。

とくに皮膚にとどまっている邪に効果があると考えられます。

升麻は解毒と、皮膚の邪を追い出す働きがあります。

昇陽挙陥

升麻にはその字のごとき、陥落した気を上へ強く持ち上げる働きがあります。

まさに補中益気湯、乙字湯、昇陥湯は落ち込んだ気を上へ持ち上げる方剤です。

とくに昇陥湯は黄耆・柴胡・桔梗・升麻の気を持ち上げる生薬ばかりから構成されています。

気の落ち込みが強いときは、升麻で持ち上げます。

脱肛も気が落ち込んだ結果と捉えることができます。

長引く下痢も気が落ち込み、清濁をわけられず、下痢となっています。そういったときにも升麻がつかわれます。

升麻は辛・甘であり、甘味をもつことから陽明胃経にも働きます。

升麻の升陽の働きは陽明経に働きます(柴胡は少陽経に働く)。

升麻が入っている漢方薬は?

升麻は補中益気湯、升麻葛根湯、辛夷清肺湯、乙字湯、立効散、昇陥湯、普済消毒飲、托裏透膿散につかわれています。

どの漢方薬も上ベクトルに働く処方ですね。

『葉天士解本草』

気平微寒。味苦甘。無毒。主解百毒。殺百精老物殃(わざわい)鬼。辟瘟疫瘴気邪気。蠱毒入口皆吐出。中悪腹痛。時気毒癘。頭痛寒熱。風腫諸毒。喉痛口瘡。久服不夭。軽身長年。

升麻気平微寒。稟天秋平冬寒金水之気。入手太陰肺経、足太膀胱経、手太腸小腸経。味苦甘無毒。得地南方中央火土之味。入手少陰心経。味苦則燥。入足陽明胃経。気味軽清。陽也。

其解百毒者。気平而寒。味甘而苦。能清能和。所以解毒也。

其殺百精老物殃鬼者。升麻稟平寒之気。則得清陽通達之性。能破幽暗。制精鬼也。瘟疫瘴気邪気。皆天地鬱塞薫蒸之気也。平寒能清。苦能洩。甘能和。所以能辟之也。

蠱毒陰悪敗壊之毒。甘苦之味。能和能解。故薬入口。蠱卽吐出也。

其主中悪腹痛者。甘能解毒。苦能洩邪也。

其主時気毒癘頭痛者。甘平和毒。苦塞熱。平苦又燥湿也。

其主寒熱風腫諸毒者。平甘以和之。寒苦以清之。入膀胱。能散寒熱風腫也。

喉痛口瘡。火鬱於上也。其主之者。苦寒之味。火鬱発之也。

久服不夭。軽身長年者。升麻為陰中之陽。能升陽気於至陰之下。陰精所奉。其人寿也。蓋必佐補薬。方可久服耳。

気平微寒。味苦甘。無毒。

升麻気平微寒。稟天秋平冬寒金水之気。入手太陰肺経、足太膀胱経、手太腸小腸経。味苦甘無毒。得地南方中央火土之味。入手少陰心経。味苦則燥。入足陽明胃経。気味軽清。陽也。

主解百毒。

其解百毒者。気平而寒。味甘而苦。能清能和。所以解毒也。

殺百精老物殃(わざわい)鬼。

其殺百精老物殃鬼者。升麻稟平寒之気。則得清陽通達之性。能破幽暗。制精鬼也。

辟瘟疫瘴気邪気。

瘟疫瘴気邪気。皆天地鬱塞薫蒸之気也。平寒能清。苦能洩。甘能和。所以能辟之也。

蠱毒入口皆吐出。

蠱毒陰悪敗壊之毒。甘苦之味。能和能解。故薬入口。蠱卽吐出也。

中悪腹痛。

其主中悪腹痛者。甘能解毒。苦能洩邪也。

時気毒癘。

其主時気毒癘頭痛者。甘平和毒。苦塞熱。平苦又燥湿也。

頭痛寒熱。風腫諸毒。

其主寒熱風腫諸毒者。平甘以和之。寒苦以清之。入膀胱。能散寒熱風腫也。

喉痛口瘡。

喉痛口瘡。火鬱於上也。其主之者。苦寒之味。火鬱発之也。

久服不夭。軽身長年。

久服不夭。軽身長年者。升麻為陰中之陽。能升陽気於至陰之下。陰精所奉。其人寿也。蓋必佐補薬。方可久服耳。

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