のどがつかえる方、不安神経症や神経性胃炎、吐き気のある方にはどんな漢方薬がいいの?

半夏厚朴湯

効果の幅が広い漢方薬です。一言でいれば、気を晴らし、気を降ろす漢方薬です。気を降ろすことで吐き気を抑えるので、吐き気止めとしてつわりの方にも使用されますし、逆流性食道炎の方にも使用されます。気を降ろすので不安神経症などの抑うつ傾向の方、自律神経が安定しない方にも使用できます。不眠症の方にも使用できますが、この漢方薬を服用することで眠気が出るのではなく、不安などの神経症状を緩和することで不眠症にも効能効果があると考えられます。咽喉頭異常感症といった、原因はないけど喉に違和感がある方にもよく使用され、誤嚥性肺炎にも効果があります。

目次

効能又は効果は?

ツムラの添付文書には「気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症」と記載があります。

何が入っているの?

半夏厚朴湯は小半夏加茯苓に厚朴と蘇葉を加えたもの。小半夏加茯苓も吐き気止めとして、つわりの方に処方されます。半夏厚朴湯には半夏、茯苓、厚朴、蘇葉、生姜の5つの生薬が配合されています。

半夏厚朴湯=小半夏加茯苓(半夏、茯苓、生姜)+厚朴+蘇葉

半夏:吐き気を抑える

サトイモ科カラスビシャクの塊茎。薬性は燥。乾かす作用が強いため、湿性の咳嗽に有効です。気を降ろす作用があり、吐き気を抑える作用もあります。

茯苓:精神安定作用

サルノコシカケ科マツホドの菌核。利水作用があり、身体の水のバランスを調整してくれます。胃内停水を改善し、胃腸機能を調える作用気を降ろす作用があり、精神安定作用もあります。

厚朴:気を降ろし、胃運動促進

モクレン科ホオノキの樹皮。気を降ろす作用があり、咳、痰を抑える作用があります。それだけでなく胃運動を促進する作用、お腹の張り、腹部膨満感を除く作用があります。

蘇葉:気を降ろし、吐き気を抑える

シソの葉(紫)。蘇葉には軽い発汗作用があります(香蘇散)。気を下す作用とともに吐き気を抑える作用。肺の機能を調え、のどの違和感を治す作用もあります。

生姜:吐き気を抑える

ショウガのこと。生姜には身体を温める作用、吐き気を抑える作用があります。特に生の生姜の方が吐き気を抑える作用が強いとされています。

効果のまとめ

半夏、茯苓、厚朴、蘇葉が気を降ろし、晴らす作用があるため精神的に不安がある抑うつ傾向の方にも、吐き気がある方にも効果を発揮します。喉がつっかえるような違和感のある方によく処方されます。

処方箋でもらう薬とドラッグストアで売っている薬はどう違うの?

処方箋でもらうときツムラが多いので、ツムラにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。

ツムラ16 7.5g(3包)中には、、、

日局ハンゲ    6.0g
日局ブクリョウ  5.0g
日局コウボク   3.0g
日局ソヨウ    2.0g
日局ショウキョウ 1.0g

医療用の漢方のメーカーの違いは?

医療用でよく使用される3社の使用される生薬量を比較しました。

クラシエが少し生姜の量が多いくらいで、大きく変わりはありません。

ドラッグストアで購入できるものとの違いは?

ドラッグストアで売られているものにはどれくらい生薬が入っているか調べてみました。

ツムラ漢方

1日量に日局ハンゲ3.0g、日局ブクリョウ2.5g、日局コウボク1.5g、日局ソヨウ1.0g、日局ショウキョウ0.5gと医療用の半分の量が配合されています。

ストレージ タイプH

原因がはっきりしない、のどのつかえ感や吐き気などに効く漢方製剤です。

こちらも医療用の半分の生薬量になっています。

本草半夏厚朴湯Aエキス細粒

ハンゲ6g、ブクリョウ5g、ショウキョウ1g、コウボク3g、ソヨウ2gと医療用のツムラと同じ生薬量が配合されています。市販のなかで一番生薬量が多いです!

 

神経症の方から吐き気のある方、喉がつまったように感じ方に幅広く使用される半夏厚朴湯です。

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