腰の冷えに苓姜朮甘湯

苓姜朮甘湯

足腰の冷えに使用される苓姜朮甘湯です。漢方薬の名前は茯苓・乾姜・白朮・甘草の頭文字からきています。乾姜という温める生薬が入っており、足腰の冷えにつかいます。

汗をかいた服を着替えなかったり、周りに水が多い職業、板前さんや水につかるお仕事をしている方もこのような状態になる恐れがあります。寒湿による下半身の冷えには苓姜朮甘湯をつかいます。

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効能又は効果は?

ツムラの添付文書には「腰に冷えと痛みがあって、尿量が多い次の諸症:腰痛、腰の冷え、夜尿症」とあります。

 

苓姜朮甘湯は『金匱要略』五臓風寒積聚病篇に記載のある漢方薬です。

「腎着之病、其人身体重、腰中冷、如坐水中、形如水状、反不渇、小便自利、飲食如故、病属下焦。身労汗出、衣裏冷湿、久久得之、腰以下冷痛、腹重如帯五千銭、甘草乾姜白朮茯苓湯主之。」

腎着の病について解説してあります。腎そのものではなく、外腑に寒湿が入り込んだ状態です。腎の外腑に寒湿が入ることで、湿により身体が重たく、寒にて腰が冷え、寒湿により水のなかに座っているような感覚になります。ただ腎・膀胱に邪が入り込んでいるわけではないため、のどは乾かず、小便もでます。胃は正常であるため、食事にも影響がないことから下焦に問題があることがわかります。

なぜ腎着の状態になったのかというと身体を動かし汗をかきます。そのときにすぐに着替えればいいのですが、汗で冷たくなった服を着続けるなど、そういう状態を繰り返すことで腰より下が冷え、お腹周りに五千銭(当時の1銭の重さがどれくらいがわからないが)をつけているような重たい症状があらわれます。汗をかいた服を着替えなかっただけでなく、周りに水が多い職業、板前さんや水につかるお仕事をしている方もこのような状態になる恐れがあります。寒湿による下半身の冷えには苓姜朮甘湯をつかいます。

苓姜朮甘湯は茯苓・乾姜・白朮・甘草の4薬から構成されています。乾姜は生姜を干すことによりやや褐色に変色したものです。白色から褐色へと色が濃くなっていることからも温める効果がより深くなっているいることが想像できます。苓姜朮甘湯では乾姜を4両使用しており、君薬となっています。乾姜4両・甘草2両と1:2になっています。乾姜によって強く温め、茯苓・白朮にて湿を取ります。人参湯では乾姜3両・甘草3両と乾姜の量が少なくなり、乾姜と甘草が1:1になることで中焦を温めるようになっています。乾姜の量が多くなることでより下の部位に効果を発揮します。

 

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