牛房子はゴボウの種子です。普段食べているのはゴボウの根で、タネは漢方薬に使われています。
牛房子は消風散、銀翹散、柴胡清肝湯、普済消毒飲、透膿散に入っています。
現代中医学
気味：辛・苦 寒
帰経：肺・胃
効能：疏散風熱，宣肺透疹，利咽散結，解毒消腫
古典
気味：辛 平＜神農本草経＞
帰経：肺＜葉天士解本草＞
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『神農本草経』と『葉天士解本草』から牛房子の働きについて考えたいと思います。
『神農本草経』
“気平。味辛。無毒。主明目補中。除風傷。”
『葉天士解本草』
“牛房子気平。稟天秋平之金気。味甘無毒。得地西方之金味。入手太陰肺経。気味降多於升。陰也。
牛房子気平清熱。味辛散鬱。鬱熱清。則目得血而能視矣。所以明目。
中者陰之守也。人身陰陽。求之升降。牛房子辛平清肺。肺気下降則陰生。所以補中也。
風傷於衛。衛附皮毛。皮毛者肺之合也。辛平疎肺。則皮毛解散。所以除風傷也。”
気平。味辛。無毒。
“牛房子気平。稟天秋平之金気。味甘無毒。得地西方之金味。入手太陰肺経。気味降多於升。陰也。”
牛房子は気平にて秋平の金気をうけ、味は甘い(おそらく辛いが正しいと考えられる)、無毒、西方の金味にて太陰肺経に入ります。
主明目
“牛房子気平清熱。味辛散鬱。鬱熱清。則目得血而能視矣。所以明目。”
牛房子は気平にて清熱し、辛味にて鬱を散じます。目は血を得ることができ、よく見えるようになります。ゆえに牛房子は明目につかわれます。
補中
“中者陰之守也。人身陰陽。求之升降。牛房子辛平清肺。肺気下降則陰生。所以補中也。”
中は陰の守るところです。人の身体は陰陽があり、それらが上下に動く必要があります。牛房子の辛平にて清肺し、肺気が降りることで陰が生じ、補中となります。
除風傷
“風傷於衛。衛附皮毛。皮毛者肺之合也。辛平疎肺。則皮毛解散。所以除風傷也。”
風は衛気を傷つけ、衛気は皮毛とつき、皮毛は肺の合です。牛房子の辛平にて肺気を通じ、皮毛が解散し、ゆえに風傷を除くとなります。消風散。銀翹散の働きはこの作用からきていると考えられます。
