小茴香(しょうういきょう)・フェンネル

小茴香は西洋ではフェンネルというハーブとして親しまれ、料理・お菓子などに入っています。小茴香・フェンネルは西洋でも東洋でも親しまれている生薬といえます。

ちなみに”小”茴香に対し、”大”茴香も存在します。大茴香は八角ともよばれ、料理によく使用されています。八角の成分自体には抗インフルエンザの効果はありませんが、八角に含まれている成分に手を加えることで、タミフルという名で知られるオセルタミビルがつくられます。

小茴香は安中散、天台鳥薬散、暖肝煎、少腹逐瘀湯などに入っています。

目次

現代中医学

気味:辛 温

帰経:肝・腎・脾・胃

効能:散寒止痛、理気和胃の効能から寒疝腹痛、睾丸偏墜、生理痛、少腹冷痛、脘腹脹痛、食少吐瀉に応用されます。

古典

気味:辛 温<神農本草経>

帰経:寒・肺<葉天士解本草>

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『神農本草経』と『葉天士解本草』から小茴香・フェンネルの働きについて考えたいと思います。

『神農本草経』

気温。味辛。無毒。主小児気脹。霍乱嘔逆。腹冷不下食。両肋痞満。

『葉天士解本草』

小茴香気温。稟天春升之木気。入足厥陰肝経。味辛無毒。得地西方之金気。入手太陰肺経。気味倶升。陽也。

小児皆肝気有余。肝滞則気脹。小茴香辛温益肝。兼通三焦之真気。所以主脹也。

肺為百脈之宗也。司清濁之運化。肺寒則清濁乱於胸中。揮霍変乱而嘔逆矣。小茴香辛入肺。温散寒。故主霍乱嘔逆也。

腹属太陰脾経。冷則火不生土。不能化腐水穀。而食不下矣。小茴香辛温益肺。肺亦太陰。芳香温煖。而脾亦煖。食自下也。

肋属厥陰肝経。痞満者。肝寒而気滞也。小茴香辛可散痞。温可祛寒。所以主両肋痞満也。

 

気温。味辛。無毒。

“小茴香気温。稟天春升之木気。入足厥陰肝経。味辛無毒。得地西方之金味。入手太陰肺経。気味倶升。陽也。”

小茴香は気温で春升の木気をうけ、厥陰肝経に入ります。味は辛く、無毒、西方の金味をえて、太陰肺経に入ります。気味ともに升。

主小児気脹。

“小児皆肝気有余。肝滞則気脹。小茴香辛温益肝。兼通三焦之真気。所以主脹也。”

小児はみな、肝気が有り余っています。肝気が鬱滞することで気脹(お腹にガスが溜まる)となります。小茴香は辛温にて肝を益し、三焦の真気を通す働きを兼ねているため、ゆえに脹を主る働きをします。実際に小茴香は安中散の健胃薬に配合されています。

霍乱嘔逆。

“肺為百脈之宗也。司清濁之運化。肺寒則清濁乱於胸中。揮霍変乱而嘔逆矣。小茴香辛入肺。温散寒。故主霍乱嘔逆也。”

肺は百脈を主り、清濁の運化を主っています。肺が冷えると胸中で清濁が乱れ、霍乱・嘔逆を起こします。小茴香は肺に入り、温性にて散寒するために、霍乱嘔逆を主るところとなります。

腹冷不下食。

“腹属太陰脾経。冷則火不生土。不能化腐水穀。而食不下矣。小茴香辛温益肺。肺亦太陰。芳香温煖。而脾亦煖。食自下也。”

お腹は太陰脾経に属します。冷えが入り込むことで火が土を生み出すことができなくなります。陽気がめぐらないため、脾が失調し、食べ物を消化することができなくなります。小茴香は辛温にて肺を益します。肺は脾と同じ、太陰経であり、小茴香の芳香・温性にて脾も温められ、自ずと食べ物を下に降ります。安中散での小茴香の働きです。

両肋痞満。

“肋属厥陰肝経。痞満者。肝寒而気滞也。小茴香辛可散痞。温可祛寒。所以主両肋痞満也。”

肋・脇は厥陰肝経の通るところとなります。そこが痞え、膨満感があるときは肝気が冷えによって気滞を起こしています。小茴香の辛味にて痞えを散じ、温性にて寒を追い出します。ゆえに両肋痞満を主るところとなります。

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