天麻は半夏白朮天麻湯、天麻鉤藤飲、定癇丸、大活絡丹につかわれています。
天麻は熄風の生薬であり、燥・潤に偏らないため使いやすい生薬です。熄風というのは“風が熄(き)える”と書き、めまい・ふるえ・痙攣などの内風を消す働きのことです。半夏白朮天麻湯ではめまいという内風を消すため、天麻が熄風薬として入っています。
葉天士はそのような天麻の働きを、天麻は肺経に入り、水道・血を平じるため、風木を制する上薬としています。
現代中医学
気味:微辛・甘 平
帰経:肝
効能:熄風止痙、平抑肝陽、祛風通絡の効能のため、肝風内動、驚癇痙攣、眩暈、頭痛、四肢麻痺、手足不随、風湿痺痛に応用される
古典
気味:辛 平<神農本草経>
帰経:肺<葉天士解本草>
『神農本草経』
気平。味辛。無毒。主諸風湿痺。四肢拘孿。小児風癇驚気。利腰膝。強筋力。久服益気。軽身長年。
『葉天士解本草』
天麻気平。稟天秋平之金気。味辛無毒。得地西方之金味。入手太陰肺経。得天地之金気独全。故為制風木之上薬。気降味升。陽也。
肝為風木。諸風皆属於肝。肝主血。血渋不通。則湿感成痺也。其主之者。天麻気平味辛。入肺而通水道。能活血而散風也。四肢脾主之。因於湿則大筋耎短而成拘攣也。肺亦太太陰。水道通調。則太陰湿行。而脾湿解拘攣愈矣。
小児風癇驚気。皆肝経血虚気亢。以致気逆而驚癇也。天麻味辛。辛則潤血気平。平則鎮驚也。
辛平之品。潤肝血而平肝気。肝主筋而位居下。故能利腰膝而強筋力也。
久服辛平益肺。肺主気。所以益気。気充身自軽。而年自長也。
気平。味辛。無毒。
天麻気平。稟天秋平之金気。味辛無毒。得地西方之金味。入手太陰肺経。得天地之金気独全。故為制風木之上薬。気降味升。陽也。
主諸風湿痺。四肢拘孿。
肝為風木。諸風皆属於肝。肝主血。血渋不通。則湿感成痺也。其主之者。天麻気平味辛。入肺而通水道。能活血而散風也。四肢脾主之。因於湿則大筋耎短而成拘攣也。肺亦太太陰。水道通調。則太陰湿行。而脾湿解拘攣愈矣。
小児風癇驚気。
小児風癇驚気。皆肝経血虚気亢。以致気逆而驚癇也。天麻味辛。辛則潤血気平。平則鎮驚也。
利腰膝。強筋力。
辛平之品。潤肝血而平肝気。肝主筋而位居下。故能利腰膝而強筋力也。
久服益気。軽身長年。
久服辛平益肺。肺主気。所以益気。気充身自軽。而年自長也。