夏枯草は“夏に枯れる草”とあることからも春の性質をもったまま、夏に枯れる草です。夏枯草は春の肝木の性質を受けています。そのため夏枯草の帰経はもっぱら肝胆であり、苦寒にて肝胆の鬱火を泄熱します。苦味にて泄熱するだけでなく、辛味をもちあわせていることからも少陽胆・三焦の瘰癧(リンパのできもの)を散じます。瘰癧といえば消瘰丸(玄参・貝母・牡蠣)がつかわれますが、『中医臨床のための方剤学』を読むとこの加減法に夏枯草の記載もあります。
現代中医学
気味:辛・苦 寒
帰経:肝・胆
効能:清火明目の効能から、目赤腫痛、頭痛などに応用される
古典
気味:苦・辛 寒<神農本草経>
帰経:膀胱・心・肺<葉天士解本草>
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『神農本草経』
気寒。味苦辛。無毒。主寒熱。瘰癧鼠瘻。頭瘡破癥。散癭結気。脚腫湿痺。軽身。
『葉天士解本草』
夏枯草気寒。稟天冬寒之水気。入足太陽膀胱寒水経。味苦辛無毒。得地火金之味。入手少陰心経、手太陰肺経。遇火令而枯。稟金水之気独全。水制火。金平木。故専主少陽相火。風木胆経之症。気味軽清。少陽也。
太陽主表。表邪外入。則太陽有病。而悪寒発熱矣。其主之者。味辛可以散表寒。味苦可以清熱也。
瘰癧鼠瘻。皆少陽胆経風熱之毒。夏枯草稟金水之気味。所以専入少陽。解風熱之毒也。
頭乃太陽行経之地。膀胱湿熱則生頭瘡。其主之者。気寒清熱。味苦燥湿也。
積聚而有形可徴謂之癥。乃湿熱結気也。味辛可以散結。味苦可以燥湿熱。所以主之也。
癭亦少陽之症。其主之者。以夏枯草耑治少陽之症。而辛散之功也。湿邪傷下。
脚腫湿痺。無非湿也。苦能燥湿。所以主之。
且入肺與膀胱。而有祛湿之力。湿勝則身重。既有祛湿之功。所以能軽身也。
気寒。味苦辛。無毒。
夏枯草気寒。稟天冬寒之水気。入足太陽膀胱寒水経。味苦辛無毒。得地火金之味。入手少陰心経、手太陰肺経。遇火令而枯。稟金水之気独全。水制火。金平木。故専主少陽相火。風木胆経之症。気味軽清。少陽也。
主寒熱。
太陽主表。表邪外入。則太陽有病。而悪寒発熱矣。其主之者。味辛可以散表寒。味苦可以清熱也。
瘰癧鼠瘻。
瘰癧鼠瘻。皆少陽胆経風熱之毒。夏枯草稟金水之気味。所以専入少陽。解風熱之毒也。
頭瘡
頭乃太陽行経之地。膀胱湿熱則生頭瘡。其主之者。気寒清熱。味苦燥湿也。
破癥。
積聚而有形可徴謂之癥。乃湿熱結気也。味辛可以散結。味苦可以燥湿熱。所以主之也。
散癭結気。
癭亦少陽之症。其主之者。以夏枯草耑治少陽之症。而辛散之功也。湿邪傷下。
脚腫湿痺。
脚腫湿痺。無非湿也。苦能燥湿。所以主之。
軽身。
且入肺與膀胱。而有祛湿之力。湿勝則身重。既有祛湿之功。所以能軽身也。