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生薬
莵絲子(としし)
莵絲子(としし)はネナシカズラの植物の種子です。 莵絲子は右帰丸・左帰丸にもつかれており、補腎の生薬です。 流産などにつかわれる寿胎丸にも莵絲子は含まれ、『衷中参西録』にて張錫純は以下のように莵絲子の働きについて説明しています。 “莵絲には... -
生薬
百合(びゃくごう)
漢方においては百合(びゃくごう)と読みます。一般的には百合(ユリ)と読むことがほとんどだと思います。 漢方では百合はユリの鱗茎の鱗片であり、いわゆる“ユリ根”といわれるものになります。ユリ根は食べられたことある方もいると思います。ユリ根は漢... -
生薬
何首烏(かしゅう)
何首烏(かしゅう)は養血薬として当帰飲子につかわれています。 それ以外にも七宝美髯丹、贊化血余丹には髪・髭を黒く、顔色をよくする生薬として配合されています。 【】 気味:苦・甘・渋 微温 帰経:肝・腎 効能:補益精血、生発烏髪、強筋骨、解毒(... -
生薬
朮(白朮・蒼朮)
『神農本草経』の時代には白朮と蒼朮が区別されていなかったため、朮というひとくくりで記載されています。 現在では白朮の方が健脾に優れ、蒼朮の方が除湿に優れているとされていますが、漢方のメーカーによっては白朮・蒼朮に違いがあります。江戸時代中... -
生薬
黄耆(おうぎ)
黄耆は人参と並び、補気薬の代表的なものの1つです。人参と黄耆が入った漢方薬を参耆剤(じんぎざい)ともいいます(人“参”と黄“耆”)。 人参と黄耆の違いは補気の仕方です。人参は気を補う力が強力です。それに対し、黄耆は気を表へ持ち上げる作用が強い... -
生薬
人参(にんじん)
人参は生薬としても有名です。漢方の人参と、食卓に並ぶ人参は同じものなのでしょうか? 結果からお話すると漢方でつかわれるニンジンと、カレーや肉じゃがに入っているニンジンは別物になります。漢方のニンジンはウコギ科で、普段食べる赤いニンジンはセ... -
生薬
甘草(かんぞう)
甘草は字のとおり、生薬のクセのある甘い味がします。その甘味からも食品の甘味料としても使用されます。有名なものではハリボーのタイヤグミに入り、かっぱえびせんなどにも入っています。 甘草は甘味から漢方においても矯味剤として頻用され、漢方薬の7... -
生薬
蓮肉(れんにく)・蓮子(れんし)
蓮肉もしくは蓮子について説明します。どちらも同じ意味で、日本では添付文書では蓮肉と表記されることが多いです。古典では蓮子と書いてあることが多い印象です。蓮子、蓮肉という名前からもハスのタネのことです。 蓮肉が入っている漢方薬には補気・軟便... -
生薬
山薬(さんやく)
山薬はナガイモやヤマノイモの根茎で、普段の食事でも目にすることのある生薬の1つです。 漢方で山薬がつかわれているものには、参苓白朮散、啓脾湯、六味丸、八味地黄丸、牛車腎気丸、完帯湯、清帯湯などがあります。脾陰を補う補脾や収渋作用による止瀉... -
生薬
陳皮(ちんぴ)
陳皮の働きを『神農本草経』から考えたいと思います。 陳皮は香蘇散、参蘇飲、滋陰至宝湯、痛瀉要方、滋陰降火湯、五積散、六君子湯、補中益気湯、人参養栄湯、神秘湯、通導散、釣藤散、平胃散、分消湯、藿香生気散、九味檳榔湯、疎経活血湯、二朮湯、二陳...